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@東京新聞記事 ハローペット
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ハローペット
▲高田さん夫妻の真依子(写真上 )
 
審理も賠償額も人間並みに
 
ペットの医療過誤訴訟が増加中
 
 
 ペットが動物病院で適切な治療を施されなかったとして、獣医師を訴える飼い主が増えている。なかには、人間の医療訴訟と同じ形式で行われることになった裁判もある。東京地裁で始まった最近の二つのケースは…。
 
●高田さんのケース
 
 「本件は、通常の医療訴訟として手続きを進めていきます」
 
 四日、東京地裁での第一回口頭弁論で、裁判官のこの言葉を聞き、原告席の高田満美さんの目には涙があふれた。
 
 「これで、病院が真依子に何をしたのかがちゃんと調べられ、明らかになる」
 
 真依子とは、高田さん夫妻が飼っていたスピッツ犬だ。
 
 大田区の会社員高田博充さん・満美さん夫妻は、都内の動物病院の獣医師三人を相手に、真依子の死について損害賠償を求める裁判を起こした。
 
 高田さんによると、真依子は昨年末、急に具合が悪くなった。かかりつけの同病院に入院、検査で糖尿病を示す数値が出たが、獣医師はインシュリンの投与をせず、食餌(しょくじ)療法や他の薬を与えた。六日後、真依子は死亡。九歳だった。
 
 「半年に一度、検査をして健康に気をつけてきたのに。治療法について獣医師に説明を求めたが、怒ってとりあってくれない」
 
 高田さんは、同病院の治療は不適切だったと確信、賠償を求め提訴した。
 
 高田さんの代理人を務める渋谷寛さんは、「ペット法学会」に所属する弁護士。「ペットが家族同様である今、人間と同様の審理を望みたい」と、地裁に提訴する際、医療訴訟集中部である民事30部での審理を求めた。それが通り、渋谷さんは「画期的なことだ」と話す。
 
 賠償請求金額も、人間の子どもと比較して算出した。
 
 「交通事故で子を失った慰謝料は約二千万円。人間の寿命約八十年に対しスピッツは平均十四年なので、約三百五十万円に」。治療費などを含め計約四百四十万円を請求した。
 
 渋谷弁護士によると、ペット医療訴訟の判例では、昭和四十三年に過誤が認められ、五万円が支払われた例がある。最近は、大阪や宇都宮で過誤が認められ、慰謝料含み各約八十万円、九十万円の支払いが命じられ、年々高額になっている。
 
 一方、被告代理人は、「当方に落ち度はない。裁判の経過を見てほしい」と反論している。
 
●関口さんのケース
 
 同じく東京地裁で八月末、新宿区の会社社長関口忠志さんが獣医師に愛犬の損害賠償を求めた民事裁判も始まった。
 
 近所の動物病院で三歳のとき去勢手術したはずのラブラドール犬「バロン」が、今年の春、睾丸(こうがん)がんで死亡。まだ六歳だった。
 
 「最終的に治療した東大付属家畜病院で、睾丸が二つとも残っていたと言われたんです」
 
 賠償請求額は約五百三十万円。バロンの養育費や治療費などを加えた金額だ。
 
 「でもお金の問題ではない。去勢手術をした獣医師が非を認めないから」と関口さん。
 
 獣医師側はやはり、「こちらに落ち度はない」としている。
 
 二つのケースとも、相手はかかりつけの病院だった。それが死の原因をめぐる疑惑で、信頼関係が崩れた。渋谷弁護士は、獣医師を監督する農水省衛生管理課に、高田さんの問題について見解を求めたところ、「近年、獣医師には、飼育者へのインフォームドコンセントの徹底を依頼している」との回答だ。
 
 高田さんは、「裁判はむなしい。あの子はもう帰ってこないのだから。でも今後、同じようなことを起こさないためにも、飼い主は泣き寝入りしてはいけない」と、決意を話した。
 
  (文・宮 晶子)
 
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出典 (東京新聞
(http://www.tokyo-np.co.jp/00/hellopet/20030910/ftu_____hellopet000.shtml)
(および2003年9月10日夕刊
 
(この記事・写真は、東京新聞社の許諾を得て転載しています)
 
東京新聞社の著作権については以下リンクをご参照下さい。
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