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(人医療裁判)
最 高 裁 判 所 判 例 集 判 決 (一部抜粋)
判例 H08.01.23 第三小法廷・判決 平成4(オ)251 損害賠償
判示事項:
医薬品の添付文書(能書)に記載された使用上の注意事項と医師の注意義務
要旨:
医師が医薬品を使用するに当たって医薬品の添付文書(能書)に記載された使用上の注意事項に従わず、それによって医療事故が発生した場合には、これに従わなかったことにつき特段の合理的理由がない限り、当該医師の過失が推定される。
「この臨床医学の実践における医療水準は、全国一律に絶対的な基準として考えるべきものではなく、診療に当たった当該医師の専門分野、所属する診療機関の性格、その所在する地域の医療環境の特性等の諸般の事情を考慮して決せられるべきものであるが(最高裁平成四年(オ)第二〇〇号同七年六月九日第二小法廷判決・民集四九巻六号一四九九頁参照)、医療水準は、医師の注意義務の基準(規範)となるものであるから、平均的医師が現に行っている医療慣行とは必ずしも一致するものではなく、医師が医療慣行に従った医療行為を行ったからといって、医療水準に従った注意義務を尽くしたと直ちにいうことはできない。」
「医薬品の添付文書(能書)の記載事項は、当該医薬品の危険性(副作用等)につき最も高度な情報を有している製造業者又は輸入販売業者が、投与を受ける患者の安全を確保するために、これを使用する医師等に対して必要な情報を提供する目的で記載するものであるから、医師が医薬品を使用するに当たって右文章に記載された使用上の注意事項に従わず、それによって医療事故が発生した場合には、これに従わなかったことにつき特段の合理的理由がない限り、当該医師の過失が推定されるものというべきである。」
「すなわち、昭和四九年当時であっても、本件麻酔剤を使用する医師は、一般にその能書に記載された二分間隔での血圧測定を実施する注意義務があったというべきであり、仮に当時の一般開業医がこれに記載された注意事項を守らず、血圧の測定は五分間隔で行うのを常識とし、そのように実践していたとしても、それは平均的医師が現に行っていた当時の医療慣行であるというにすぎず、これに従った医療行為を行ったというだけでは、医療機関に要求される医療水準に基づいた注意義務を尽くしたものということはできない。」
「ここで特に指摘を要するのは、「いわゆる臨床医学の実践における医療水準」とはいえ、それはあくまで診療に従事する医師の拠るべき規範であって、必ずしもこれに忠実とはいえない者をも含む「平均的医師が現に行っている医療慣行とでもいうべきものとは異なる」(前掲昭和六三年第三小法廷判決における伊藤裁判官の補足意見参照)ことである。「注意義務の存否は、もともと法的判断によって決定さるべき事項であって……慣行……の故に直ちに注意義務が否定さるべきいわれはない」(前掲昭和三六年第一小法廷判決参照)のである。」
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上記裁判で争点となった「医療水準論」は治療上妥当な概念だと思います。小動物医療における医療水準については以下に記載されています。
小動物医療の指針(日本獣医師会)(一部抜粋)
4診療技術水準の確保
獣医師は、社会の要請に応えることができるように、最新の専門知識、技術を習得し、常に高い診療技術水準を維持するように生涯学習に努めなければならない。
このためには、獣医師は、学術集会、研修会等に積極的に参加し、また、学術雑誌、書籍等を通じて専門知識を吸収するとともに、自ら得た成果を他の獣医師にも伝達する等により、小動物医療全体の発展に努めなければならない。
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