[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」

動物医療について疑問に思うこと。
動物病院を受診する際、どうしたらよいか悩むことや、納得できないこと、私なりに思うこと、などを記載しました。さまざまな考え方があると思いますので、ぜひ皆さまのご意見をお聞かせ下さい。
 11      医療ミスの指摘について
 
ミスの事実を指摘するのは飼い主の当然で正当な行為です。根拠のある批判であり、単なる非難ではありません。
 ミスの事実は隠しようがないし、隠すべきでないと獣医師会も推奨しています。飼い主が指摘した時、以下のような回答は禍根を残します。
 
『いいがかりだ。いちゃもんつけて。素人にはわからないことだ。獣医師も人だからミスをする。生き物だからミスはつきものだ。責めるのは酷だ。』
 
 飼い主の気持ちに配慮し獣医師として誇りを持つ診療を実践していれば、自ずと言い方も誠実になります。飼い主にミスを指摘されたとき、治療内容をその通りに説明してください。そうすれば無用な感情のすれ違いや争いは起こりません。
 獣医師がミスを犯した時、飼い主はどのような気持ちでいるか、そして獣医に何を望んでいるか、それを見極めて対応しないとあとで困ったことになるかも知れません。
 
 12      説明と同意(インフォームドコンセント)、治療指針について
インフォームドコンセントは形式ではなく意志疎通が図られることが目的です。
 
獣医師が十分に説明をしたと思っても、飼い主が理解していなければ無意味です。飼い主の理解力に沿った説明が重要です。
「病気はこれこれで、治療法がいくつかあります。どの治療にするか最終的には飼い主が決めて下さい。」
 これでは飼い主は困惑します。なにしろ飼い主は治療法を判断できる知識と経験を持っていません。各治療の内容と意味を理解してこそはじめて選択できます。
 同意するためには、まず最初に獣医師自身が適切と判断する治療法と理由を示してください。飼い主がその方針を妥当と考えて同意したときに、説明と同意が成立します。
 
本来のインフォームドコンセントは、医師が法律上のトラブルを避けるためのものではなく、より良い医療を行うためのものです。
したがって、
医療従事者は自分にとって都合が悪いからといって、情報の提供を拒むことはできません。
一方の患者は、自らの人生観と目標に基づいて医療内容を決める権利を有していますが、医療の倫理を逸脱する要求をしてはなりません。
 
つまり、医師の説明と患者の同意がいかに合法であっても、相互を尊重し合う精神と、相互が参加する意思決定がなされてこそ正しいインフォームドコンセントといえます。
ただし医師は、患者さんからインフォームドコンセントを取り付けからといって医療上の責任を免れることはありません。
患者さんもインフォームドコンセントをたてにとって不当に医師を責めることはできません。
 13      獣医はミスを犯しても許される!?
「手を尽くしましたが残念です。」「そんなばかな。さっきまであれほど元気だったのに!」
  そんな飼い主の悲鳴をよく聞きます。
 
 仕事上のミスは誰にもありますが、相手に直接被害を与えた場合は謝罪して責任を負うのが一般常識です。隠そうとしても相手が見抜いて露見します。そうなったらすぐ職を失う時世です。
 ところが、獣医師はミスを認めない傾向があります。明らかなミスを犯しても、それを飼い主に報告しなかったり、追求されてもごまかそうとしたりすることが可能だと思うのでしょうか?獣医療の特殊性を強調すれば言い逃れできると考える発想は、今や時代遅れで許容されません。
 予定手術で入院したペットが冷たくなって帰った場合、その原因が予測不能な病気だったとか体質の問題だったという説明ですべて通用するはずがありません。
 また、被害にあった飼い主が必ずしも獣医師を追求しないのは、失った命が戻らないことの絶望感で打ちひしがれているからです。その獣医師の顔を見るのも嫌だからです。しかし、不自然な経過を納得する飼い主は誰一人いません。
 指摘されないから非がなかっと考えるのは傲慢です。ミスを犯した獣医師が、ミスを指摘される前にもっともらしい理由つけでごまかせると思ったら大きな誤りです。
この世にミスを黙って許す社会などあるわけがありません。
 獣医師は裁判で敗れても罰金刑だけで済みます。しかし、失われた命はよみがえらず、飼い主の苦しみは消えません。今回ミスがばれたのは運が悪かったからで次回から上手に隠そう、もしかりにそう考えたら、獣医師どころか人間失格です。そして同じ低レベルの仕事を続けるのはさらに悪質です。
 ミスをしたら謝罪して責任をとる。獣医師も例外ではありません。
 
「特異体質で、予測不能でした。」「それは予見できなかった獣医の技量の問題です。ミスを隠そうとしたのは獣医師の人間性の問題です。」
 14      セカンドオピニオンについて
セカンドオピニオンを得られないのは飼い主の責任か?
 
 医療におけるセカンドオピニオンは、主治医以外の第二の意見のことです。
 人の場合、セカンドオピニオンを得るのは難しくありません。患者が迷っていれば、主治医が他の医師を紹介するか、または患者が希望すれば紹介してもらえます。特に癌、心臓病関連では、セカンドオピニオン、サードオピニオンが重要で、支援団体もあります。
 人は常に最良の治療を求めます。治療に妥協はなく失敗は許されません。医師がすべての情報を提示して患者の同意を得るのは、治療に成功するために重要です。医師法でも説明義務が明文化されています。
 獣医師も同じはずです。獣医師学会でも、獣医は動物の健康のため努力することを明確に唱っています。
 しかし、現実的には獣医療でセカンドオピニオンを得るのは大変困難です。
 大部分の主治獣医は、情報提供や他の獣医への紹介などに積極的でありません。また、幸いにも他獣医の意見を聞けたとして、意見が違うと飼い主はどちらがよいか判断できません。 やはり主治獣医の意見がもっとも重視されます。
 私のHPや他の被害例に対して、「セカンドオピニオンをとっておけば良かったですね。」「他の意見を聞くべきでした。」という意見があります。私はそう言われても直ちに納得できません。飼い主はさまざまな情報を集め、どれがよいか悩んだ結果で行動します。主治獣医が飼い主の要望に応えた選択肢を説明しなければ、何が最善で最適なのか、飼い主が知るのは困難です。
 飼い主が正しい情報収集に奔走しなければならない現状は、異常です。獣医師がすべき事を、飼い主が代行しているのです。
 15      (続き1)獣医師のセカンドオピニオン
獣医師が、セカンドオピニオン普及に積極的と思えません。
 飼い主はセカンドオピニオンを希望します。それには獣医側の条件が必要です。
  • 1。地域に同等のレベルの獣医が複数いること。さらに、意見を調整できる高度な機関があること。
  • 2。獣医師間で、派閥や考え方が異なっても意志疎通がはかれること。
  • 3。獣医師が、患者と獣医医師身のため獣医師界のレベルアップをはかろうとする自覚があること。
 残念ながら、私の居住地域はこれに当てはまりません。体制の不備は仕方ありませんが、上記2.3.の意識が育っていません。獣医師が動物を治すことで社会責任を果たそうと思えば、おのずと説明も情報提供も進むはずです。そういう風潮が広まるかどうかは、獣医師の考えが進歩するかどうかによります。飼い主の意識変化と社会的要求は、獣医師が思うよりもはるかに進んでいます。
 16      (続き2)セカンドオピニオンを得るには?
それが最も困難です。
 
現実的にセカンドオピニオンを得るためのいい方法があるのでしょうか?
  考えられる方法を述べます。
  • 1。 担当獣医師に別の獣医師の意見を聞きたいと申し出ます。もし、担当獣医師が快くセカンドオピニオンを勧めるような人だったらば、本当に幸運です。しかし、難色を示したり、悪くすると怒りだして「私を信頼しないなら、他の獣医師にかかればよいでしょう!」と言い出す人もいます。そうなったらセカンドオピニオンは無理です。担当獣医師にかかりつづけるか、他の病院を探すか、です。                           
  • 2。 担当獣医師に無断で他の獣医師を受診したとします。飼い主は2つの意見を比較できますが、後の獣医師の方がより良い獣医師に見えることがあります。なぜなら、後の獣医師の方が、担当獣医師の考えを知る可能性が増え、また時間が経過するほど病態を把握しやすいからです。さて、二人の獣医師がお互いを尊重し合うほど仲が良ければ、その後の話はまとまります。しかし、獣医師の意見が異なる場合、どちらが正しいかを飼い主が決めることになります。あるいは、さらにまた別の第3の獣医師にかかるしかありません。もし話がこじれると、担当獣医師との関係は悪化する危険性が高くなります。飼い主にとっては避けたい事態です。
  • 3。 「セカンドオピニオンを受けつけます」という専門の動物病院相談窓口(インターネット、電話など)を利用します。ただし、診察なしの診断と、診察した担当獣医師の診断を同等に扱うのは危険です。飼い主は、あくまで一つの意見として捉えるのがよいでしょう。   
 セカンドオピニオンをどうするかの問題に関して、理解しやすいと思った本の一部分があります。(「良い獣医はどこにいる?対談」リンク参照)。担当獣医師を不満と感じたら、すぐにやめて他の病院に行きましょう、飼い主が知識を持って獣医師の診断の真偽を見抜きましょう、などと書かれています。
ただ、言うは易し、行うは難しです。選べる獣医師が少ない地域で可能かどうか、難しいです。
 17      ペットは人と同じ大事な命。でも事故が起こるのは人と違うから仕方ない? 
そういう説明は詭弁です。
 
ある診察時の会話。
「ペットは人と同じ大事な命です。獣医療は進歩しているので人と同様に治療できます。」
しかし、医療事故が起こりました。
「ペットと人は違うからこういう結果になることもあります。」
 この答えは問題のすり替えです。ペットも人も病気を治療する点では同じです。医療事故は人かペットかの違いではなく、治療側の不手際の問題です。
 そもそも人やペットに関わらず、命はすべて大事です。それをわざわざ言う必要はありません。それなのに問題が起こった途端ペットと人の種の違いを強調するのは、始めからペットを人と同じように大切に考えていないことの反映です。どういっても正当な言い訳ではなく、聞き苦しい限りです。
 18      獣医師間の連携は何故進まない?救急医療は発展するか?
 
獣医師にも技術の差や専門分野はあります。診る自信がない時は紹介するのも責任のひとつです。
 また、地域によってはどの動物病院も定休日や診療時間が同じなので、その時の病気やけがにどう対処すればいいのか分かりません。
 持ち回り(輪番制)で夜間休日担当を決めておけば、獣医師も飼い主も緊急に対応できます。
 各病院の能力と知識を共有すれば、相当のレベル向上が可能です。
 これは地域の獣医師会で決定できることです。その体制が広く普及しないことは不思議です。他の獣医師に頼まない約束でもあるのでしょうか。お客を取られると思うのでしょうか。
 
 救急医療に関して、大都市の一部では地域医師会や有志の獣医が夜間休日救急診療を運営しています。ほんの数年前から始まったようですが、この流れが全国に広まって欲しいものです。夜間診療所対応。リンク参照
 19      同意書に関する疑問。JAHAの回答。
獣医師が要求した同意書の内容が不備です。
(JAHA:日本動物病院福祉協会
 
 以下の同意書は、今回の抜歯手術時に渡されたものです。ミスと直接の因果関係はありません。ただ、以前からこの文書の表現に疑問を抱いていました。 私の主張は以下です。
  • 1. この同意書は、内容的に不備です。手術行為の記載、獣医の注意義務、担当獣医師の署名欄、のすべてがありません。これから医療訴訟が増加する可能性を考えると、責任者、医療行為、責任義務を明記すべきです。
  • 2.同意書の内容は、獣医師を擁護する視点にのみたっています。獣医師の免責事項はありますが、責任を示す文言がありません。獣医師は自由に言い逃れできます。例:「薬剤ショックでした。体質でした。不測の出来事でした。」 
  • 3.動物を物品としてとらえています。(法律的にはそうですが、実際は生物です)。日本動物病院福祉協会の趣旨に合致しません。
  • 4.他に適切な同意書がなければ、各動物病院でふさわしい同意書を作成すべきです。
なにより問題なのは、獣医師がこのような不公正な同意書を安易に使用する姿勢です。あまりにも鈍感で不誠実です。
 獣医師が職責を果たす義務があること、そして、例えば今回のように手術モニター不備や麻酔ミスなどの過失があった場合、獣医師の責任を明確にすること、が文書化されることが必要です。飼い主にのみ不利益をもたらす内容は認められません。
 
本同意書に関する質問に対し、JAHAから回答がありました。
 JAHAあてに同一質問を2回尋ねました。(1回目2002.11.25.2回目2003.1.5)。回答は1月12日メールで受けました。
質問
 1.JAHAには、この表現以外の同意書はありますか?
 2.もし他になければ、この同意書の文言を変えるお考えはありますか?
 質問趣旨:この同意書は、書類として不備と考えます。すなわち、A.獣医師の治療内容 B.業務に係る獣医師の注意義務の項目 C.獣医師の署名捺印。が記載されていません。
 今後、動物医療に関する訴訟がなされたときに、飼い主にとって適切な書類とはいえません。
 
回答 (氏名と挨拶省略) 
ご質問内容につきまして、本会の同意書は以前添付いただいきました内容のものだけです。同意書の内容変更などにつきましては、後日ご連絡させていただきます。
JAHA事務局 担当者名
《JAHAのホームページは、参考リンクを参照または、同意書をクリックしてください。》
 
 

同意書 JAHA作成

前へ 目次へ 次へ

| ホーム | 管理人挨拶 | 悪夢の日 | 獣医の謝罪文 | 手術報告書 | 獣医弁護士の通知 | 医療ミスへの対応 | 医療ミス交渉を考える | 獣医に望むこと | 良い獣医とは |
| 獣医が失敗から学ぶこと | 獣医学と獣医療 | 麻酔薬と麻酔法 | 疑問に思うこと | 医療者の責務 | 行政の取り組みについて | 生涯教育の重要性 | 手術について | 医療の質とリスクマネージメント | 医療の意識変化 |
| 獣医療関連記事 | 飼い主のための医学基礎知識 | 掲示板 | 獣医療者専用掲示板 | 飼い主専用掲示板 | 掲示板一覧 | 参考リンク集 | 管理人意見 | 横浜地裁桃子ちゃん裁判 |


疑問に思うこと

dogcat1122@hotmail.comご意見・ご感想はこちらまで