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![]() ![]() 私は、全国を探して、長い月日の後、ようやく希望の女の子シーズーを譲り受けました。このとき生後4ヶ月。
これからどんな人生、犬生が待っているのでしょう。希望に満ちあふれていました。
あの日までは。
6ヶ月になったばかりの愛犬は、以下のようにして短い生涯を閉じました。
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悪夢
午前中に愛犬を病院に預けました。それが、元気な姿を見た最後となりました。午後早く、獣医から私の勤務先に電話がありました。「手術中に具合が悪くなりました。」『それでどうなったんですか?』「だめでした。」
私の心臓は凍りつきました。
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直後の獣医の対応。「麻酔によるショックで、初めての事例です。」
私が病院へ駆けつけて理由をただした時、獣医はそう答えました。
私はその説明は嘘だとすぐ判りました。ショックとは血圧が下がっている状態を意味しますが、麻酔で血圧が下がるのは当然です。そもそも麻酔ショックなる医学的病名はありません。しかも、結果であって原因ではありません。獣医の説明は歯切れが悪く、自ら情報開示する意志は見られませんでした。
「こんな事が起きないように、積極的に交流に努めてきたのに何故だ!」
私は信じられない現実と疑問で、混乱していました。
そして、光を失い大きく見開かれた愛犬の瞳は、「どうしてこうなったの?」と訴えかけているようでした。
私はあまりにも無念で悲しく、言葉を発する気力がありませんでした。冷たくなっていく我が子犬を胸に抱きながら、あらためて追求しよう、そうかたく決心しました。
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翌日の獣医の対応。
私は、原因はショックというあいまいな理由ではないと判断し、獣医に面会しました。前日に引き続き、獣医の口から自発的に真実を語るチャンスを与えていたにもかかわらず、依然、獣医は理由を明らかにしようとしませんでした。そこで、手術中の具体的内容を問いただした結果、ようやく獣医は、
「麻酔による血圧低下を見逃した過失があること、心電図モニターをつけなかったこと」を認めました。
また、術中に目を離していたのか、との問いに、「スケーラーに気をとられていた。」と答えました。
(注;スケーラーとは歯石を取るための器具)
私は、謝罪文を要求し、後日郵送されました。
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手術で何があったのか?
獣医自身が、麻酔管理の誤りを認めました。概要は以下の通りです。
『手術時間が予定より長くなったため、吸入麻酔薬(ハロセン)の使用量が増加した。その結果、麻酔が深くなりすぎて血圧が低下したが、モニターできていなかったために、その状態把握が遅れた。また手術中、使用機器に注意がむいて肝心の麻酔管理がおろそかになった。』
麻酔に危険が伴うからこそ、各種モニターを装着するのです。この獣医は、その原点を軽んじています。医師ならば、過失致死で逮捕されるような治療内容です。
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過失に対する獣医の見解と姿勢。
私は、このような麻酔の危険性があり得るのでないかと危惧し、事前に手術の安全性や時期を獣医にしつこく確認していました。
しかしながら、担当獣医は当然すべき監視を怠るミスを犯しました。私は愛犬を引き取る時、この獣医に次のことを伝えました。
「あなたはご自身がどんなひどい事をしたか分かっているのですか。貴方は私の子供を殺したんですよ。これから十数年生きるはずだった命を奪ったんです。」
「医療で事故を起こしたら、残された家族は一生傷を負います。後の人生、苦しんで過ごします。だからこそ医師は迂濶なミスは絶対に犯せないのです。細心の注意をして事に当たるのが当然の職業です。私はあなたがその注意を払うと考えて今回お願いしたのです。」
このミスは許されないとの私の意見に対して、獣医は「訴えられてもしかたありません。」との返事でした。
一方、手術時期を遅らせるとか歯が自然に抜けるのを待つべきではなかったか?適応の選択ミスでなかったか?これに対して獣医は、「いいえ、私はこれまでもこの方針でやってきました。この月齢でも抜歯手術する考えです。」と答えました。
開院当初から10年以上通院し、私に同院を紹介してくれた知人にこの状況を伝えたところ、知人は私が病院を出てまもなく同院を訪れ、今回の事故状況を確認するために獣医と面談しました。
その時獣医は、「もっとよい器械があれば、器械さえあれば。」、と、設備の問題を強調するばかりであったそうです。自身の手術監視ミスを器械に転嫁する姿勢には、重大なミスを犯したという認識も反省のかけらも見あたりません。
またこの獣医は以前から器械に頼らない基本的診断治療を信条としていました。近隣には大学同窓の先輩が開業し、地域の基幹病院を目指して機器充実に努めていますが、それについても、「器械をたくさん揃える必要はない。あの先生のように、器械があっても治せなければしょうがない。小動物を診れるのはいいとこ僕の年代からです。その前は牛や馬の勉強しかしてませんよ。」と主張していました。自身の病院の設備不備と技術不足をカバーしてくれる地域の先輩獣医師に感謝するのが当然でありながら、逆に悪し様に言い捨ててスタッフや飼い主に当たり散らしていました。この獣医が何か問題を起こす度に、「態度に少々問題はあるがけしてそれほど悪い男ではないのだが。」、とひたすらかばい続ける先輩獣医師への背信行為ともいえます。
獣医は日頃から、「動物の医療は今では人の医療と変わらなくなりました。」と得意げに話していました。そうであれば、予定手術の原則として健康な動物をもとの健康体のまま飼い主に返すことが重要です。麻酔管理をないがしろにし、ミスを犯して初めて医療機器の必要性に気がついたとすれば、それまでは根拠のない過信のみで治療していたことになります。技術の問題以前に、危機意識が欠落していては医療者として失格です。
なにより、この獣医は、とりわけ気分の安定性に欠けるところがありました。職員に対し激昂するだけでなく、飼い主がともに治療に参加しようと努力しても、些細な判断の違いを感情にまかせて必要以上に非難したり、身勝手な思い込みで威圧的に飼い主の治療責任を問うたりすることもしばしばでした。
こうした獣医の態度にも、飼い主は動物を治すためできるだけ目をつぶっていました。「動物を愛護的に扱い、嘘をつかない治療を実行する。」という獣医の言葉に期待を寄せていたからです。
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絶対許せません。
獣医として当然すべき注意を怠りました。
真実を隠そうとしました。
知識が現在の医療レベルに達していません。
信頼関係構築に努力してきた飼い主の精神を踏みにじりました。
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獣医の医療レベルはどうしたら向上するのでしょう?
この獣医は開業して14年だという。中堅獣医でありながら、心電図もつけずに麻酔の初歩的ミスを犯すのはまったく信じられないことです。また、獣医の世界でこのような医療が通用していることも理解できません。
獣医は地域の獣医師会の定期勉強会に参加し、一般的な医療知識を持っています。その医療を実践しないのは怠慢か無能かのいずれかです。
現在、獣医の医療内容を監視、評価するシステムはどこにもありません。それならば、飼い主がそれをする必要があります。何千、何万人もの被害者が声を出せば大きな力になります。獣医にとっても、飼い主に評価されるという適切な緊張関係は、良い医療を行うための良い動機つけになるはずです。
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医療ミス回避に真剣に取り組む獣医療を望みます。
私は今回の事故後、私は麻酔内容との因果関係について、当時評価を得ている複数の病院に意見を求めました。
「麻酔に事故はつきもの。お気の毒ですが、わんちゃんの運命ですね。」
「モニターをつけない手術は、特に不当なことではありません。心電図を持っていない先生もいますからねえ。」
「心電図だけでは駄目ですね。うちのは6項目いっぺんに測れますよ。術中管理責任の欠如? そういうこ と言われてもねぇ、 ははは。」
「モニターは、何か重大な病気がある場合につけるもので、健康な個体には特別つけなくても構わないものです。抜歯のような簡単な手術ではまず普通はつけませんね」
「麻酔レシピが間違っているとは言えない。麻酔法は先生それぞれが独自に選択している。」
「命あるものはいつかは死ぬものだ。そんなことよりこのように原因について他院に 意見を求めるのはこれまでお世話になった先生に対して失礼ですね。無礼千万、もってのほかです。」
「御愛犬を亡くされたお気持は十分に理解できますが、悲しみを獣医師にぶつけるのは如何がなものでしょうか。そういうことでは信頼関係が困難になります。御愛犬の成仏のためにもそんな考え方は止めるべきです。」
「私も同じようなミスをするかも知れない。何か問題が起こった時に訴えたり批判するようなら信頼関係は作れない。安心して診療などできない。」
「後になって文句を言うくらいなら、さっさと転院すればよかったんですよ。」
「そのようなミスは誰にでもあることだ。私だって間違うことはある。あなただって間違うことはあるでしょう。お医者さんを見ても分かります。ミスを取り沙汰して騒ぎ立てられたら困るのは同じです。」
いずれも、今回の麻酔管理と麻酔方法に関して獣医師は何ら責任を負うものではないとの意見であり、その認識の甘さに失望しました。医療ミスをミスではないと主張したり論点をすり替えようとする意識は社会の理解を得られません。
私は、手術に携わる医療者の在り方について以下のように考えています。
『獣医療の国家資格を有し、術者の任を負う立場であるからには、医療水準に照らして最善の麻酔薬と麻酔方法を実践するのが当然である。手術の基本として、麻酔下では術者の絶え間ない看視が必須である。いかに優れたモニター機器であっても人間の解釈が重要であり、万一に備えて適切に対処する能力を持って初めて手術を受託すべきである。』
これからの獣医療を担う諸先生方には、ミス回避に真剣に取り組む医療を身につけて欲しいと願います。
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《《《 想い そして 決意 2008年 夏 》》》
私の記憶はあの医療ミスの日から氷のように凍てつき、時計の針は止まったまま動いていません。残された家族一同支え合い、理不尽な逆風に負けてはならないと外見的には元気に振る舞おうと努めています。しかし深い悲しみに包まれた心の傷は生涯消え去ることはないでしょう。
医療ミスを回避するために慎重に動物病院を選び、長年付き合ってきた末に受けたこのつらい経験と悲しみは二度と味わいたくありません。また他の飼い主の皆様にも絶対に経験して欲しくありません。
「安全で安心な獣医療を求めたい」、この強い気持ちは永遠に変わりません。
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